WPTavern が専任ライターを募集

森の中の酒場に集まった数十人の人々

11月17日に、WordPress 関連の話題を投稿する情報サイト WPTavern主任ライターが引退し、現在、後任としてライター2人が募集されています。(応募は24日まで!)そこでこの投稿では、WordPress コミュニティーでちょこちょこ話題に出る WPTavern が何なのか、簡単に紹介しようと思いました。

WPTavern とは

「Tavern」は直訳すると「居酒屋」と翻訳されます。ただ、「お酒を飲める所」というよりかは、「お酒を囲んで人々が集まって情報交換する所」というニュアンスの方が強いです。現在は「Tavern」という英語はあまり使われず、「Pub」と言われることが多いです。この「Pub」も「Public House(大衆の家)」の省略で、「人々が集まる場所」という意味があります。

WPTavern の目指すところも、「人々が気楽に集まって、広く WordPress に関する情報を交換するサイト」といったところかと思います。コンテンツは大きく3種類あります。(すべて英語。)

  • ブログ(専任ライターやゲストライターが投稿)
  • ポッドキャスト(WordPress コミュニティーで活躍している方々のインタビューなど)
  • フォーラム(誰もがスレッドを立てて情報交換できる場)

個人的に、世界レベルでの WordPress 業界に関心のある方は、ぜひブログはフォローするといいと思います!もともと WordPress に関する投稿ばかりしていたサイトですが、今はより広く、ホスティング業界の話題、eコマースの話題、オープンソースに関する話題なども取り上げています。何よりも広告がなく、どこの会社ともアフィリエイト関係がなく、真に中立的な立場で WordPress 時事を取り上げて書いてくれるので、個人的には安心してその情報を取り込める気がしています。

WPTavern の歴史

サイトの詳しい歴史は、WPTavern の About ページをぜひ参照して下さい。ここでは何点かだけ掻い摘んで紹介します。

まず、wptavern.com のドメインとサイトは、何度か持ち主が変わってきました。最初に登録されたのは 2008年5月。ただ初期のオーナーはあまり開発ができず、同年12月に Jeff Chandler という方に転売しました。Jeff さんは翌年1月に WPTavern をローンチ

最初は広告表示などをしてサイトを運営していたようですが、採算が合わず、2011年8月にドメインとサイトを転売。当初は買い手の情報は公開されていませんでしたが、2年経った2013年5月に、それが WordPress 共同創始者の Matt Mullenweg だったことが明らかになりました。

さて、Matt さんはいくつかの会社の社長です。WordPress.comWooCommerceJetpack などの製品を提供している Automattic 社の社長であることはよく知られていますが、他にも Audrey Capital という投資・研究会社を持っています。こちらは個人的に出資・運営している会社なので、Automattic などとは完全に独立しています。

Matt さんは WPTavern を取得したときに、前の所有者 Jeff さんを Audrey 社の社員として雇用しました。それは給料を支払うことによって、Jeff さんが収支を気にせず WPTavern で記事執筆を続けられるためでした。Matt さんや Audrey 社が記事の執筆内容に一切関与しない代わりに、サイトから広告をなくす、という取り決めのもと、WPTavern は実質的に何も変わらず存続し続けました。

WPTavern の今

その後、何名かの方が WPTavern のライターとして加わり、また時々ゲストライターによる記事も投稿されるようになりました。そうした中で 2013 年からは Sarah Gooding が WPTavern の主任ライターとなり、先日11月17日までの10年間、投稿を続けてきました。10年で 3,021 もの記事を投稿したとのことなので、ほぼ毎日記事を執筆してきたことになります。これはすごい!

Sarah さんの辞任を受け、現在 WPTavern には専任ライターがいない状態です。そこで、Matt さんは先日、専任ライターを募集すると公開しました。今まで一人の人にかかっていた記事執筆の責任を、今後は二人の人にお願いしたいようです。今までと同じく、専任ライターたちは Audrey 社の社員となり給料をもらいつつ、Matt さんなどからの関与なく、独立・中立した立場で WordPress に関する記事を書いていくことができます。

詳細は募集要項を見ていただければと思いますが、採用過程は Automattic 社で導入されているものと似ている部分がたくさんあります。

  • 履歴書は提出するものの、採用にはさほど関係ない
  • 書類選考を通過した人は、時給 25 ドル(3,700円程)でしばらく試用期間に入る
  • 試用期間を無事通過し、選ばれた2人が社員として採用される

ちなみに、Automattic 社の採用プロセスに興味がある人は、僕自身の経験を以前書いたことがあるので、「僕と WordPress の歩み」シリーズもぜひ読んでみて下さい。(part 1, part 2, part 3, part 4

終わりに

今回、この記事を書いているとき、自分がさまざまなサイトへのリンクを貼っていることに気がつきました。もともとブログ用 CMS として開発された WordPress の歴史は、さまざまなサイトのブログ記事の中に刻まれ、記録されてきてるんだなぁと、つくづく感じました。

誰もが WordPress に関して自由に情報を発信できるからこそ、特定の会社の利益になるような偏った情報が発信されたり、誤解から生まれた間違った見解が拡散されたりすることも時々見られます。そうした中で、中立的な立場で WordPress を見つめ、なるべく正確にその情報を伝えようとする WPTavern は、WordPress コミュニティーにとって重要な使命を担っているとも言えます。これから選ばれる次のライターたちも、ぜひ頑張って下さい!今後も WPTavern の記事を読むことを楽しみにしています。


本投稿のアイキャッチ画像は、https://www.freepik.com/ai/image-generator を利用し、AI を用いて作成されました。

森の中の酒場に集まった数十人の人々

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